こんにちは。映画大好きまにしです。
今回は、イングマール・ベルイマンの『野いちご』を観ました。
感想をレポします。ネタバレ含む。
あらすじ
医学の研究に人生を捧げたイサクは、その功績から名誉学位を受けることになる。式に向かう前日、いつものように独りで眠ると、イサクは自分が死ぬ奇妙な夢をみる…。
感想レポ
ベルイマンは初鑑賞。
光と影の使い方がかなり印象的で、どこか仄暗いのに力強さも感じる独特な世界観だった。
ベルイマン好きに『野いちご』について聞くと、「ベルイマン初見としてまだ観やすい方」とのこと。道中でてくる若者の感じとかが明るくて観やすいらしい。
率直な感想は、人はおじいさんになっても若い頃のトラウマや喜びを抱えたままなんだなあということ。
映画らしく、といっては言葉違いかもしれないが、ドラマチックな感情の起伏はない。なのにどうしてこんなに節々で哀しい気持ちになるのか。
生きながら死んでる人と、死んでるようで生きてる人には、なんの違いがあるのだろう。わからない、けどわかる、そんな不思議な感覚。
はじめは嫌いあっていた息子の嫁が、ラストでは「大好きよ」と言い合える関係になる、決別と覚悟があるからこその関係に思える。
“野いちご”のある場所は、人知れない秘密の場所なのだという。神聖なそこは、孤独な夜の唯一の癒しである。私は眠れない夜、誰かの手のひらに包まれることをよく想像した。
この感覚は、死ぬまで続くのだろうか。