こんにちは。映画大好きまにしです。
やばい、『ワイルド・アット・ハート』を観てからというものの、エルヴィス・プレスリーへの愛が止まらない。
▼『ワイルド・アットハート』の記事
さて、今回は、ジャームッシュの描くエルヴィス映画である。楽しみでたまらない。
◾️あらすじ
ロックンロールの町、メンフィスのホテルに3組の旅人が現れる一夜を3話オムニバスで描く。夜汽車が走り、エルヴィスの<ブルー・ムーン>が流れる夜が明け、一発の銃声が響く……。ベニーニ夫人のニコレッタ・ブラスキ、スティーブ・ブシェミのほかスクリーミン・ジェイ・ホーキンスやジョー・ストラマーなど異色の顔合わせに、工藤夕起と永瀬正敏の主演が日本でも話題になったジャームッシュ監督の第4作。JVCが出資。
映画情報.com|https://eiga.com/movie/29202/
◾️オムニバスを活かした反復表現がテクい
ストーリーは3組のオムニバスからなっているのだが、眺めていると、どうやら同時刻の同ホテルで起こった話らしいというのがわかる。
旅行中のカップル、夫を亡くしたばかりでお金にツキのない奥さん、仕事を無くした男とその友人たち。
全く状況の異なる3組は、まるで運命のようにホテルへ集まる。
この映画のおもしろいところは、反復の演出により同時刻の説明がなされるところだ。
たとえば、ある人が何気なく通った道にあった車が、別のある人の乗ってきた車であるなど。
一瞬ご都合主義のようにもみえるが、これって日常でも起こることだ。
ひとたび自分から視点を外せば、何人もの人が同じ車を目にすることは日常である。また、ある誰かの視点ではそれは所有物で、そして、別の誰かの視点ではその車を狙っていたりするのだろう。
そんな当たり前の気づきを、斬新に表現してくるジャームッシュはすごい。
そしてその反復一つひとつに、クスッと笑ってしまうようなキュートさを入れ込んでくることが半端なくテクい。
ストーリーはスローなのに、なぜか魅入ってしまう映画である。
◾️エルヴィスの曲、エルヴィスの肖像画
この物語のキーパーソンである、エルヴィス・プレスリーを忘れてはいけない。というか彼について語らせてくれ。
舞台はエルヴィス・プレスリーが生涯を過ごした街、メンフィスである。
『ミステリー・トレイン』という今作のタイトルは、恐らくエルヴィス・プレスリーの同名の曲から取られたものだ。
ときにはなにかの前兆、ときにはまるで呪いかのようにエルヴィスの“波動”は繰り返され、誰の人生をとってもエルヴィスとは切っても切れない関係なのがおもしろい。
メンフィスに来る人は皆、エルヴィスから離れられないのだろうか。
もちろん3組が泊まるホテルにも彼の要素が盛り込まれているのだが、これがまたおもしろい。一室ずつ別の肖像画が飾られていて、宿泊客をみつめている。
彼らは必ず肖像画を見ることになるのだが、それぞれ抱いている感情の違いに笑ってしまう。
トレイントレイン…私もメンフィスに行きたいよ。
◾️おまけ スティーヴ・ブシュミがかわいい
完全にエルヴィス目当てで観た映画であったが、私はスティーヴ・ブシュミも大好きであった。
まさか出演してるとは知らず、「ん…なんか似てる人がいるな…」くらいに最初は思っていた。
そしてありがたいことに、本当に出演していたのである。
「厄病神がついてそうな顔だな」と言われていた。本当にそうだ。かわいいね。
◾️まとめ
最近は、“Burning Love”や“Patch It Up”、“Pork salad Annie”なんかを聴きながら通勤する。私にとってもエルヴィスは切っても切れない存在となった。
ああいつかメンフィスへ行きたいなあ…。
あの日本人カップルのように、スーツケースに手形をつけて、カゴのように持って歩きたい。
彼らが「エルヴィスはいろんな人に似ている」というようなことを言っていたが、私も最近、「大谷翔平ってエルヴィスに似ているな…」とよく思う。
一緒に観ていた恋人にそのことを伝えたら、「似ていない」と一刀両断されたが、本当にそうだろうか?
誰か同じ思いの人がいたら、こっそり教えてください。